端午の節句
五月五日、端午の節句。子どもの日。そして二十四節気の立夏です。端午の節句は男の子のおまつり。
その起源は中国春秋時代の楚の政治家で詩人である「屈原」の命日と言われています。楚王に仕えていた屈原は、民を思い王に他国との戦いを諫めますが聞き入れられず傷心のうちに下野。国を憂い石を抱いて汨羅に入水します。屈原の入水を知った村人が、挙って小舟を漕ぎ出して屈原を助けようとしましたが果たせず、何とか屈原の亡き骸が魚の餌食にならない様にと、千萱で包んんだ米を川に投げ入れたり、悪龍退散を願い川に酒を撒いたりした故事があります。千萱の米包は「粽」として今に残り、競って漕ぎ出した救命の小舟の伝承は中国や日本各地の伝統行事となって残っています。屈原は「憂国の士」として今も称えられています。
さて、我が家のささやかな節句。今年も、自作陶製の金太郎に菖蒲を添えて飾りました。立派な具足飾りは活花作家さんご夫妻が、マンションのエントランスに飾ったもの。ご近所の旧家から譲り受け、手入れをして甦らせた逸品です。
今年の「柏餅」は、この地に住んだ時からある街の小さなお菓子屋さんまで足を運んで買いました。あっと言う間に売り切れる蓬皮粒餡の柏餅は昔ながらの味がしました。
今の世にうだつきそひて端午かな 鷹羽 狩行
老いぼれて武士を忘れぬ端午かな 村上 鬼城
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