白兎考
「因幡の白兎は白くなかった」と言ったのは、江戸時代の国学者本居宣長です。
確かに古事記には「素兎」と書いてあります。元々白兎は在来種の茶色兎がアルビノによってメラニン色素が無い状態になった変異種で、古代に存在していたとは考え難い。宣長は「素」を皮を剥がれた状態の兎ととらえています。素っ裸の兎と言うところでしょう。宣長さんが科学的なのが面白い。
古来、「白」は瑞兆とされ、天皇に「白雉」が献上されたので、年号が白雉に変わった記録もありますので神話に「白兎」が登場しても良いのかもしれないとも思います。
兎の数え方は「一羽、二羽」です。鳥でも無いのに不思議ですが、これは「四つ足の動物」を食してはならない戒律を掻い潜る為の知恵。兎の耳が鳥の羽のようだからとの説もあります。現在は「一匹、二匹」が一般的な数え方。どうやら兎は手近な蛋白源だったようです。
手作りの陶の兎の後でラインダンスをしているのは花結びの兎たちです。
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