桂の黄葉
駅の北口からまっすぐに延びる道路の両脇の街路樹が、黄葉し始めました。桂の木です。日本原産。ハート型の葉で黄葉するとキャラメルので香りがします。マルトールという物資で食品添加物にも使われます。醤油の香りを感じる人もいて、ショウユの木とかコウの木の呼称もあります。
母恋し桂の黄葉見てをれば 渡辺 むく
万葉集では、桂に「楓」の字が当てられているそうです。
月に見て手には取らえぬ月の内の楓(カツラ)の
ごとき妹をいかにせむ (巻四) 湯原王
湯原王は、天智天皇の玄孫。
この歌は、好意をもった女性の家に告白しに行ったものの、家の中に入れてもらえずすごすごと引き下がる、失恋の歌だそうです。
実は、駅前の街路樹が、果たして「桂」なのかを確かめたくて、市役所に電話しました。担当の方が時間をかけて調べ、丁寧に教えてくださいました。お忙しい中でしょうに。対応の暖かさに、いい街に住んでいるナと思いました。
駅前通は、キャラメル色の秋の香りがしています。
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