未央柳

陽がさしてきました。露を含んだ未央柳の濃い黄色が鮮やかです。オトギリソウ科の半落葉低木で、ビヨウヤナギ、美王柳とも言いますが、園芸上の呼び名で植物学ではオトギリソウ属の一つとして扱うようです。中国原産、300年前頃渡来しました。未央柳の呼称は、白居易の「長恨歌」に由来するという説は、ロマンがあって面白いと思います。長恨歌は玄宗皇帝と傾国の美女寵姫楊貴妃の物語。楊貴妃に溺れて政治を顧み無くなった玄宗皇帝に、安史の乱(クーデター)が起こり、玄宗は楊貴妃を伴って戦場に出ますが、予てから楊貴妃に反感を持つ兵士から楊貴妃を殺害しなければ戦はないと詰め寄られ、泣く泣く殺害を許可します。乱が治って城に戻ると、草木風物は変わらず嘗てのまま。亡き楊貴妃を思い悲嘆にくれます。
 帰来池苑皆依旧  太池芙蓉未央柳
 芙蓉如面柳如眉  対比如何不涙垂
帰ってみれば、何一つ変わらず、池の辺りには芙蓉や未央柳が咲き乱れている。芙蓉の花はあなたの面差し、柳はあなたので眉を思わせる。これが泣かずに居られようか。
 


やよいの日々

日々の日常を綴ります。

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