薮入り

今日、7月16日は「薮入り」です。江戸時代には、小正月の1月15日とお盆の7月16日の年二回を「薮入り」と言って、嫁ぎ先からお嫁さんが、奉公先から丁稚や女中さんが実家に帰れる日でした。主人たちは、履き物や衣類、小遣いを与え、土産物を持たせて送り出しました。実家に帰らない人たちは、芝居や映画を観たり、美味しいものを食べて楽しんだようです。つい先頃まで、「正月やお盆封切りの映画」が数多くあったのも、薮入りの名残です。永らく続いた風習も、第二次世界大戦が終わると、労働基準法の制定によって、週一日の休みが定着して「薮入り」は次第に廃れますが、今でも正月や夏休みの帰省という形で残っています。
薮入りの俳句は非常に多く、一句一句からドラマのストーリーや場面、人々の喋り声まで聞こえて来そうで面白いです。
 薮入りや難波を出でて長柄川    与謝 蕪村
 薮入りに思いは同じ姉妹      正岡 子規
 薮入りに母にいはねばならぬこと  高浜 虚子
 薮入りに来ている噂聞こえけり   中村 汀女
 薮入りや彩あでやかにアロハシャツ 吉田比舟子

やよいの日々

日々の日常を綴ります。

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