金木犀

今日こそは正体を突き止めるゾと意気込んで散歩に出かけました。町中を蔽う金木犀の花を見つけたかったのです。かおりを辿り生垣や低い木で薄橙色の小花が群れて咲いているのを見つけて喜んでいたら、一際高いかおりに誘われて進むと、綺麗に手入れされた木がオレンジ色に見えるのが目に入りました。正直なところちょっと興醒め。金木犀はかおりが命。正体を突き止めようとした己の不粋さに気がつきました。
昔、勤めていた大学の講義室の窓側には、金木犀の長い垣根がありました。その先は学生食堂。学生たちは、金木犀のかおりより食堂から流れてくる焼肉の匂いの方が気になっていて、花のかおりなどには全く無関心のようでした。
めげずに金木犀を話題にしていたある日、教室に入るマッチョな学生と目があうと一言「キンモクセイ!」と言って目礼しました。嬉しかった!。オリンピックのメダル獲得数全国一位を誇る大学での懐かしい思い出です。
 土地人も迷う袋路金木犀     今村 青魚
 おのが香にむせび金木犀花こぼす 高崎 武義

やよいの日々

日々の日常を綴ります。

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