蜜柑色付く

今朝も雨。静かな雨の日曜日です。お天気に気分や体調が左右される私には憂鬱です。雨戸を繰るとお隣の蜜柑が色付き始めました。雨粒を受けて艶々綺麗です。最近は、散歩道でも蜜柑を見かけるようになりました。蜜柑と言えば紀州和歌山産が有名。
「沖が暗いのに白帆が見える。あれは紀の国蜜柑船」紀文大尽の蜜柑船を唄った里謡の一節です。
江戸は元禄時代。紀州は蜜柑の豊作でしたが、その年は海が荒れて、消費地の江戸に運べず困っている中、未だ二十代だった紀伊國屋文左衛門が蜜柑船を仕立て、嵐逆巻く波濤を超えて紀州から江戸に蜜柑を運び、その心意気とともに江戸っ子達の評判となって財を成すお話です。商才に長けた文左衛門は、海運を活用して江戸で塩鮭を買い占め、上方で売り捌く他、材木商として紀州の木材を江戸で商い巨万の富を築いていきます。ところが、彼の生没年は不明。伝説上の人物と言う説もあります。幕末の小説「黄金水大尽盃」が出どころとか。
私は永らく、紀乃国屋書店が文左衛門の末裔だと思っていましたが、初代社長が紀州出身と言うつながりだけだそうです。
 紀の国の文左出で来よ蜜柑山   村山 故郷
 冬待ちつやや黄ばむ庭の蜜柑哉  正岡 子規

やよいの日々

日々の日常を綴ります。

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