お雛様
毎年、立春後の最初の土曜日にお雛様を出します。
手のひらに乗る程の小さなお雛様を数組並べます。陶のお雛様は十数年来私の創作のテーマで、個展を開くと皆さまがお買い上げくださるので、手元には残っていません。とはいえ、いつ開けるかわからない個展のために創り続けたお雛様が二十組近く、木箱の中に眠っているのですが、それを飾る訳にはいかないと律儀に思っているので、私の雛飾りは、旅先で求めたものやいただきものの雛達です。
一番好きな内裏雛は、三十年前京都嵯峨野で一目惚れして大事に連れて帰りました。
世事から離れ文学や芸術、旅や美食を味わう同好の士の会の末席に加えていただいての旅先でした。敬愛して止まないF先生が「佳いものを見つけましたね」と言ってくださったことが思い出され、ひとしお愛おしいお雛様です。
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