白山吹

白山吹がひっそりと咲いています。すれ違う人もいない静かな日曜日の朝。白山吹はバラ科の白山吹属の落葉低木。一属一瞬で亜種がないのが珍しい植物です。黄色の山吹と葉の形が似ていますが、仲間ではありません。黄色が五弁の花びらなのに対し白山吹は四弁。一番の違いは結実するか否かです。
 七重八重花は咲けども山吹の
         実の一つだになきぞ悲しき
                (後拾遺集)
鷹狩の折、急な雨にあった太田道灌(江戸城築城)が、雨具を求めて立ち寄った賤が家の乙女が、黄色の山吹の一枝を差し出したものの、道灌にはその意図する事がわからなかったとか。自らの無知に気がついて以降学びを深め名将になったと伝えられています。これは黄色の山吹が結実しない事、実の無いことを「蓑(雨具)が無い」ことに懸けた機転のお話で、埼玉県の越生町に、山吹の里の伝承があります。乙女の教養もさることながら、己れの無知に気づいた太田道灌も素晴らしいと思います。
白山吹の花言葉は、気品、崇高、細心の注意。
目立たないけれど、涼やかな好ましい花です。
今日の東京の最高気温は26℃になるとか。

やよいの日々

日々の日常を綴ります。

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