八十八夜

立春から数えて八十八目の今日は「八十八夜」です。「米」と言う文字を分解すると、八十八と書くことから、稲作を中心にした日本の農作業では重要な節目の日とされて来ました。
 夏も近づく八十八夜  野にも山にも若葉が茂り
 あれにみゆるは茶摘みじゃないか 茜襷に菅の笠
唱歌に唄われた茶摘みの季節。小学校三年生戦争末期の頃、戦争で働き手を無くした農家に「お茶摘み」の勤労奉仕に行きました。クラス全員がそれぞれの肩に背負える籠いっぱいに茶葉を摘みとらないと作業が終わりません。身体もひ弱で不器用な私はクラスの厄介者なのに、級友たちは自分の籠から、それぞれにひとつかみ、ふたつかみの茶葉を私の籠に入れて助けてくれました。思い出すと鼻の奥がジーンとなり、今も感謝の気持ちでいっぱいです。
お茶の原産地は中国。紀元前2700年に神農が薬として発見。日本には、奈良平安の時代に遣唐使や留学僧によってもたらされました。中でも臨済宗の栄西(1146〜1215)は喫茶養生記をものし、飲酒癖があった源実朝に薬として茶を薦めたと「吾妻鏡」にあります。

やよいの日々

日々の日常を綴ります。

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