卯の花
卯の花のにおう垣根に 時鳥はやも来鳴きて
忍び音もらす 夏はきぬ
唱歌で歌われた「卯の花」が見頃です。卯の花は四月頃から咲くので「卯月の花」?兎(卯)の様に白いから?と思っていたら、ウツギ=空木のこと知りました。枝の芯が空洞になっているのでウツギ。その花なのでウツギの花。転じて「卯の花」になったそうです。
古くから日本各地の、日当たりがよいところに自生している花で、万葉集の巻十にも詠われています。
さつき山卯の花月夜ほととぎす
聞けども飽かず また鳴かぬかも
卯の花や森を出でくる手に下げて 石田 波郷
暁けの雲一気に去りぬ花うつぎ 桂 信子
私は「卯の花」と聞くと、「おから」を連想してしまいます。豆腐の搾り糟を野菜の切れ端を細かく刻んでだものと煎り煮した倹しい惣菜ですが、好きなお菜です。何度炊いてみても、母の味に及びません。その上、少しのつもりが驚くほど大量にできてしまうこともあって、残念ながら、お惣菜屋さんで買った方が美味しいのです。
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