茄子の花
梅雨の中休み。眩しい陽射しです。
茄子の花の紫色が冴え冴えとしています。「親の意見となすびの花は、千に一つの無駄が無い」と諺にある様に、咲いた花は必ず実を結ぶそうです。
昔のこと、亡母の散歩道の途中に詩人の草野心平さんのお宅があり、詩人は家の周りを耕して茄子を育てていたようです。
いつの頃からか、言葉を交わす様になった母は、両手に余る程の茄子を頂いて帰る様になりました。
「美味しそうな茄子ですね」「持っていくかね」こんなやりとりがあったかどうか。
文学好きでミーハーの私は、「心平さんお手作りの茄子」と欣喜雀躍。「普通の茄子だけれど」と母。
もぎたての心平さんの茄子は、母自慢の糠漬けになって、夕食のお膳にのりました。
紫紺の皮は柔らかく、乳白色の実の瑞々しかったことを思い出します。
草野心平 1903〜1988 現いわき市出身
慶応義塾大学普通科から中国の広東嶺
南大学(現 中山大学)
生涯、蛙と富士山をモチーフに詩作。
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