啓翁桜

池袋の西武百貨店の入り口に、ふた抱えてもありそうな啓翁桜が活けてありました。あまりの見事さに造花ではないかと疑って、そっと花びらに触ってみました。正真正銘の「啓翁桜」で、今年に賭けるお店の心意気みたいなものを感じて、ちょっと嬉しくなりました。
啓翁桜は、昭和5年に福岡県久留米市の吉永啓太郎氏が、中国系のミザクラとヒガンザクラを交配して創った桜で、啓太郎氏に敬意を評した弥永太郎氏が「啓翁桜」と命名したのだそうです。
啓翁桜の特産地は、北国の山形県。九州福岡で誕生した桜の特産地が山形県というのも不思議ですが、山形県では昭和40年頃から栽培に力を入れて、今や全国一の出荷量を誇っているそうです。
ちょうど、お正月に薄紅色の小さな花びらが開花する工夫がされているとか。「啓翁桜」と言う名前もどこかめでたく、新春を飾ってくれます。
 冬ざくら咲きて大気の透きとほる  小松世史子
 寒桜交わり淡くして長し      古賀まり子


やよいの日々

日々の日常を綴ります。

0コメント

  • 1000 / 1000