木瓜の花

真紅の木瓜の花が咲きました
今日は風がなく、陽射しも穏やかです。木瓜の花を見ると60数年前の出来事を思い出します。当事者は勿論、大方が彼岸の人になりましたので、所謂「時効」の出来事ですが、木瓜を見るたびに鮮明に思い出します。
女性の少ない職場でした。離婚歴があるT子さんに家庭持ちのM氏がラブレターを送ったのです。曰く「T子さん、貴女は木瓜の花のような方です」から始まる恋文は、その日のうちに職場の女性全員が知るところとなり、M氏は不道徳男と後指を指されることになりました。
その時、何故か私は恋文をこれみよがしに誰彼なく喧伝するT子さんが疎ましく、とても下品な行為に思えたのです。その気持ちは60 数年経った今も変わりません。異性の好意を揶揄して、自分がモテることを誇示する心根が嫌なのです。木瓜の花を観る度に思い出す美しくない思い出です。
 木瓜咲いて雨呼ぶ雲の生まれけり  鈴木真砂女
 木瓜の花紅し物欲断ちがたし    日野 草城


やよいの日々

日々の日常を綴ります。

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