カンナ
今日も猛暑。昨日の暑さが残っているので、朝の気温が高いところからスタートするのだそうです。
カンナが咲いています。熱帯から亜熱帯地方の原産。日本には明治時代に渡来して、ハナカンナと呼ばれています。昨夜のプレバドで、女優の森口瑤子の作品を夏井いつき先生が見事に添削したカンナの句を思い出しました。「カンナは緋なり絵日記は嘘ばかり」。
カンナ緋に黄に我が心境を揺るがすも
湧きに湧き怺えに怺え緋のカンナ
カンナ散り孤独の日々を愉しめり
三橋 鷹女
三橋鷹女にはカンナの句が沢山あります。そのどれもが、ドラマチックで心情を描写したものが多く、個性的な句なので、三橋鷹女という俳人に興味が湧きました。1899年成田町(現在の千葉県成田市)に生まれ、長じて上京し、次兄慶次郎の元に寄寓しました。慶次郎は若山牧水、与謝野晶子に師事する歌人だったので、鷹女も短歌を詠むようになります。1922年、歯科医師と結婚します。夫は剣三という俳号を持つ俳人だったので、鷹女も俳句の世界へ進みました。鷹女の俳句に奔放さや情感の揺れを感じたのは、鷹女の文学への入り口が短歌であったこと、晶子と牧水であったことを知って得心が出来ました。人様から見れば些細なことにこだわって、調べてみて自分なりに納得がいくと、嬉しくてホッとする。子どもの頃からの癖は治りません。
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