麦秋

散歩道の麦畑が、黄金色に変わって来ました。麦の秋。梅雨入り前の僅かな期間、金色に波打つ麦畑を見るのは、良い気持ちです。麦秋で思い出すのは、達磨大師そっくりの豪快な上司のこと。昔、オエライサン方が式典や会合で行う「挨拶」を起案する仕事を担当していた時「麦秋」と書いたら、酷く叱られました。「キミ、今は秋ではないゾ」。「この時期ぴったりなので使いました」と生意気な私。憮然とした表情の達磨さんはデスクの前で分厚い辞書をめくっていました。
それからしばらくの間、達磨上司のスピーチに度々「麦秋」と言う単語が出てきたのが愉快でした。裏表がない古き良き時代の良き上司でした。御退任の記念に頂いた「桐の文箱」には繊細な秋草の模様が描かれていて、今も愛用しています。
 若き日と同じ明るさ麦の秋    鷹羽 狩行
 ときどきは女にもどる麦の秋   河野 多希女
 原節子小津安二郎麦の秋     吉田 汀史 
「麦秋」と言う名画がありました。小津安二郎監督原節子主演です。
  

やよいの日々

日々の日常を綴ります。

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