柿
「台風に痛めつけられる前に分けて貰いました。」と活花作家さん。マンションの中庭には、農家の庭先の秋が息づいています。コンクリートの縁石の上には柿の実が10数回並んでいます。なんの脈絡も無く「獺祭」という言葉が浮かびました。獺が捕まえた魚を並べて楽しむことらしいのですが、詳しくは知りません。活花の風情を守るために切り落とした柿たちを、食するには多すぎ、かと言って捨てるに忍びずの優しさが柿を並べたのかと思いました。児戯めいたユーモアに、ご夫妻の気持ちの豊かさが感じられました。「遊びをせむと生まれけり」ですね。柿といえば子規。
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 正岡 子規
柿落ちて犬吠ゆる奈良の横町かな 正岡 子規
子規よりも多くの柿を食い得しか 相生垣瓜人
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